立場が変わると言い分も変わる、という場面に遭遇することがあります。
毎日ニュースになる企業の不祥事やコンプライアンスの問題なども、それぞれの立場によって認識が微妙に異なったりしています。
立場が違うとそれぞれ視点がここまで違ってくるのか?・・・と改めて思いますし、自分への教訓としても、客観的に見ることや姿勢は大事であると改めて感じます。
就労移行支援事業所ユースターが行っております、障がいのある方への就労支援は、まさに働く立場⇔雇う立場がつながったり、時には対峙したりする場面です。
働く側の人は、たとえば採用前の実習で「一生懸命準備をして、最大限の力を出したのだから、採用となるだろう・・」という思っていても採用されなかったり、その逆に「自信がない・・」と思ったり「うまくいかなかったー」と落ち込んでいたのに採用になった。。などの例もたくさんあるのです。
相手の心の中だからわからない・・と思いがちです。人の本音がわからず混乱することがあったとしても、それは個人の心の中だけではなく、その人の置かれている立場が影響している、ということもあるようです。それによって、予想しなかった返答や反応が出てくることもあります。
会社内で良くある話しですが・・・・
昨日まで営業部にいて、何にでも挑戦していた人が、管理部門に異動した直後から慎重な立場や意見を述べはじめたりします。
会社内は特に「立場と発言」のリンクが顕著に見えるのです。
それもそのはず、組織の立場としては、一人の従業員には、組織の意向に沿って動いてくれることを期待するからだと思います。
一人の「人」としての個性は大事にしながらも、大きな括りの中で、組織の方針に沿って個性を発揮して欲しいというのが本音ではないかと思うのです。
つまり(特に日本社会)は所属先から逸脱しないように立ち振る舞う、ということがそれぞれの人に求められているのかもしれません。
話しを障がい者の就労支援に戻しますと、採用を担当する人事部は、勤怠や社内ルール、調和や社会性といった組織への適応という視点で就労者を見て採用の可否を検討されると思います。一方で、配属される部署としては、業務遂行の力に評価の比重が向けられることが多いようです。
もちろん配属部署も社内ルールや勤怠や職業行動を見ますが、業務遂行力が見込めないと第一段階で採用とはならないわけです。
そのような場合、極端に考えると、人事部が決定権を持つか、配属部署が持つかで採用の合否が分かれたりもします。
皮肉になってしまうかもしれませんが、「〇〇企業」への就職であっても「どの部署の誰」が採用を決定するか、も見逃せない点なのだと思います。立場はそれだけ重要な意味を持つものだと感じます。
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