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執筆者の写真吉岡 俊史

自立①

『自立』


とても素敵な響きを持つ言葉だと思います。 自立は、力強さ、逞しさ、責任、成熟、大人・・・など、ポジティブなことを連想させる言葉です。


もちろんネガティブな時に使われることもあるかもしれませんが、その割合は少ないでしょう。

私たちは自立した人や生活を、良いこととして目指す目標にしていることがあります。


それはそれで良いのですが・・・困ったことに、この「自立」という言葉が、福祉の世界、とりわけ障がい者福祉の中では、あまりにも多く飛び交っているのです。障がい者の自立、自立生活、自立支援・・・・などなど、ほぼ乱用されている・・というと言いすぎでしょうか。


もちろん、冒頭に書かせていただいた通り「自立」は良い意味で使われることが多いので、たくさん使われること自体は問題はないと思うのですが・・・でも何か引っかかる感じがするのは私だけでしょうか?

何に引っかかるか、と言いますと「障がいを持つ本人の存在」です。障がい当事者の自立・・と言われて、当の本人はどう思うのでしょうか?。。。

少なくともその時点では、世間から「自立していない」と見られている。。だから「自立しましょう」と言われているのではないでしょうか?。しかし、本人は「私は自立していない」と本当に誰もが思っているのでしょうか?さらには「自立をしたい」と全員が思っているのでしょうか?

少なくとも、私が出会った障がい当事者の方へ「あなたは自立していますか?」と質問をしたことはほとんどありません、なぜなら、その質問が、ナンセンスに感じてしまうからです。


極端に言えば「私は自立している」と自分自身で信じているのであれば、その方は自立しているのでしょうし。そもそも「生活」をするには幅広い分野の能力を必要としますので、障がいの有る無しに関わらず、誰でも自立している部分もあれば、していない部分もあるのではないでしょうか?

ちなみに、私ははみがきは自立して一人でやっていますが、料理は家族にしてもらうことがほとんどです。


そして障がいのある方は自立を希望している、自立が必要、という認識を一律に持つことは、何かが違うと思います。


ついつい乱用(?)しがちなこの言葉・・私自身もあらためて考えなければと思っています。


両手を伸ばして自由のポーズをとる人
自立しないといけない、自立を目指さないといけない・・・〇✕ではないと思います

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