人はタフであると、やりたいことをしやすくなるとも言われます。その時の「タフ」とは・・・身体ももちろんですが、心もタフであることだと思います。
「タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない」とアメリカの作家、レイモンド・チャンドラーの小説に出てきた一文です。この言葉を一度でも聞かれた方は多いのではないでしょうか?
毎日の行動の中で抱えるストレスや違和感、理不尽はとてもたくさんありますが、社会に出て働く中でそれらの理不尽はさらに多くなります。
就労支援を受けていらっしゃる、就労移行支援事業所ユースターを利用される方は、社会で必要な色々なスキルを習得するプログラムに参加されています。
その中に、他の人とのコミュニケーションのとり方、チームワークとは何で、何をするのか?、対人関係を築いてゆく方法は?といったことをテーマとしたプログラムがあります。
とはいいましても、そのプログラムは「コミュニケーションはこのようにして・・」といった「ノウハウ」を誰かが教えるというだけではありません。
では、何をするのか?といいますと、例えばコミュニケーションをがんばってとったとして、それで終わりではなく、例えば自分から発信した言葉や行動の「その後」の事を考えておくというものです。
自分が発した言葉や投げかけ方が思いがけずに相手との関係を壊すことになったり、自分としては何もしていないのに、いつの間にか人間関係が悪くなるような事態になったり・・・
例を挙げきれないほど、様々なトラブル、ストレスがあります。その全てを乗り越えるには、反省と切り替えだけでは足りず、そこでタフさ必要となってくるのです。
想定していなかった外部から受けるネガティブな反応や理不尽を、さっと流して『気にしないで済ませられるタフさ』があると良いのです。
それは自分の殻にこもるのではなく、時には解決に向けて積極的に行動をとることも必要となってくるのかもしれません。
『気にしないで済ませられるタフさ』・・突っ張り過ぎない程度に優しくなれると、社会で少しは楽に、楽しく働くことができるのではないか、ということです。
レイモンドの言うとおり、タフさの上に優しさがないと、逆境に耐えるタフさだけが、ひたすらすり減ってゆくことになります。
(=つづく)
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