職場で仕事をする時の空気感は独特だと思います。会社という場所は、それぞれ、働く、〇〇に貢献する、プロジェクトを達成する、会社を盛り上げる、収入を増やす、出世する、認めてもらう・・などの意図をもった人達の集まる場所ですから、一種独特の緊張感があります。何も考えずにただいる、という人はほとんど(?)いないと思われる場所です。
一方で、そうではなく集まる団体を「共同体」と言ったりします。
余談ですが、ご存じの方も多い、ゲゼルシャフト(特定の目的や利害を達成するため組織した集団)かゲマインシャフト(共同体)という違いですね。。余談終わり。
会社は言うまでもなく前者(ゲゼルシャフト)で、目的を達成するために人が集まる場所です。それが故に一定の緊張感や、人と人の独特な関係(上下、忖度…)ができるのだと思います。その目的意識の中に障がい者雇用として入社する方は、当然本人に相当の負担がかかります。さらに配慮を超えて、軽い負担くらいは「しのいでください」と言われてしまうのです。
つまり、障がい者雇用といっても、組織の本来の目的を変えたり、無くすことまで配慮はしないということです。
ユースターでは企業実習を推し進めています。企業実習には大きな効果があり、企業で働くイメージがつきやすく、経験の質としてはとても高いものがあります。
最初は支援員が朝から実習時間終了まで同行し、一緒に実習をしますが、本人が、その企業の実習に慣れてきたら、徐々に支援者がいない場面を増やし、一人で仕事を進める練習をしていただきます。
そんなある時、本人からお話がしたい・・と電話が。。。主旨は「さみしいです」と。
既に長く実習をしている方ではありますので、技術や職場での振る舞いは兼ね備えていらっしゃいます。しかし、あまり人がいないという事もあり、寂しさを感じたのだと思います。
結局迎えに行き、ユースターに戻ってきたのですが、本人にとっては一つの良い経験だったのかもしれません。「働くとは孤独だ」と感じたかどうかはわかりませんが、少なくとも一人で働く事より誰かがいる方が仕事がしやすいと感じる方でした。
企業は、同じ目的を持って集まってくる人たちの集団で、働く人の相互刺激がある場所です。
障がい者が就職する場合も、会社に自分が合わせるだけではなく、同じ気持ちを持って集団に入り、自分の役割を果たす、そういった志を持って就職を目指せると良いと思います。簡単ではありませんが、それに近い気持ちが育てられるように支援していきたいと思います。そしてそれが、働きがいにつながるかもしれないとも思います。
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