今週は「褒める」ことについて書き続けました。3回目の今回で、このテーマをいったん閉じたいと思います。「褒める」ことは、考えれば考えるほどに奥深いテーマですし、繊細で難しいコミュニケーションなのだと気づきます。
今日は「褒める人の立ち位置」についてです。
褒めることと、相手を尊重することは必ずしも一致しないです。その違いは、相手よりも上の位置から褒めている時に顕著にわかります。
高い位置から相手を褒めると、それは「評価」に近いからです。やはり「よくやった!」という言葉は、自分より上の立場というのが明白な人の場合(たとえば上司や先生など)評価として受け止めますし、褒め言葉もわかりやすく入ってきます。それは、本人が、あの人は自分を評価する立場にいる人、と認めているからだと思います。しかし、そう認めていない人が上の位置から褒めると、そこには違和感を感じてしまうかもしれません。そういう時は褒める前に「尊重する」ことの方がしっくり感じるように思います。
ユースターの就労支援の場合ですが、利用される方との信頼関係が最初の段階で必ず必要ですし、信頼関係をつくるために、支援スタッフは全力を尽くします。もちろん支援スタッフは上の立場にいる人ではないですから、支援スタッフは、まず利用される方を尊重することから始めます。
全ての方が、それぞれに違う経緯を経て私たちにつながって下さっています。それらの全てを尊重し・・・そして今、目の前の「本人」を尊重して・・・受けとめる事から信頼関係の第一歩を踏み出します。
「褒める」というのは、さらにその先にあるのだと思います。なぜなら、支援関係は、尊重から始まり、尊重は、相手を認めることから始まるからです。
認めていない相手を褒めても、そこには、感情を動かす何も生まれないのだと思います。
一支援スタッフとして思うのは、褒めるのは、本当に支援スタッフが、利用される方に協力をしていただいて「助かった」とき、お礼の気持ちとともに使うのが良いかもしれないです。
乱発はしたくないです。なぜなら褒めることに代わる、もっと関係を深める気持ちの伝え方がもっとたくさんあって、支援スタッフと本人の信頼関係の中ではもっと具体的な感情の交換の方が価値が高い場合が多いからです。
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