コロナも五類感染症に引き下げられ、いっぺんに人々の移動が活発になったと思います。今までなんとなく控えていた遠方への移動を再開した方もいらっしゃるかと思います。そこで、飛行機を再び利用し始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
飛行機と言えば、国内外の移動には欠かせない便利な乗り物になっていますが、空港への移動距離や待ち時間、手荷物検査など、電車のような他の移動手段よりかは、手間取ることが相変わらず多いと思います。
航空会社や空港など、サービス提供者は、様々なサービスを登場させ、時短になってはいますし、進化しているようですが、それでも「まだ面倒」と思っているのは私だけでしょうか?
何が面倒か、と言いますと、やはり航空機の場合は色々なリスクを回避するために、搭乗者は時間と手間を取られているからだと思います。
つまり、手荷物検査やボディーチェックは「安全」のためであり、早めの搭乗は、乗り遅れや出発遅延を防止するためで、これが起こると、他の搭乗者へのご迷惑やダイヤへの影響の他に、航空機が空港を使用するための「コスト」への影響(つまり損失)が大きいからと想像します。そして、空港への移動距離が長いのは、言うまでもなく、空港設備が大がかりで町中ではなく郊外という特殊な「環境」になければならないからです。
どこか似ているのは、私たちユースターのような、支援を提供させていただく事業者なのかなあ、と考えてしまいます。ユースターの支援にも同様な観点が大事なのではないか、と思うからです。つまり「安全」は日々の支援の根本にある重要なことですし「環境」も同様です。実は就労支援はさまざなな環境の調整が必要となってきます。主役である利用者の方は、施設内という空間から、社会という大きくてつかみどころのない世界に環境が変化するわけですから、意図的、模擬的に環境を作ったり変化させたり、ということも支援の重要な項目になります。
そして「コスト」は? これについてももちろん無関係ではありません。支援を受ける方、提供する側、両方にコストの負担があります。
良く考えると、「安全」は飛行機だから必要なのではなく、東海道新幹線「のぞみ265号」車内で刃物で乗客が切りつけられた事件のように、昨今の新幹線や在来線でも事件や事故が発生していますので、諸外国で地下鉄に保安官が乗車しているように、日本でも安全確保が求められつつあるのだと思います。一瞬ですが、新幹線乗車時の保安検査なども話題になりました(実現はしていないようですが)
やはり日本は安全神話があり、リスクよりも効率やサービスを優先する風潮は変わらないのかと思います。そして危険回避については協力をする乗客でもありながら、ちょっと「面倒」と思ってしまう自分がいます。
支援に戻って考えてみますと、支援こそ効率だけを優先してはならず、安全、環境、そしてコストも含めてどれも大事なものだと思います。
福祉や支援だけが、何か特別な分野で、例外や特例と勘違いせず、他のサービスと同様に根本を満たす必要があるかと思っています。
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