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執筆者の写真吉岡 俊史

人間観察

社会を知ることができると、社会に出て働くときに安心にはつながるのですが「社会を知る」といっても何を知ったら良いのかわからないのが正直なところです。


就労移行支援事業所ユースターを利用されている皆さんも同じように感じられていると思います。

社会を知るというより”感じる”一つの足掛かりとして、人間観察をしてみる、という方法があると思います。


人間観察が楽しいと思う人も、何だか上から見ているようで、相手に失礼をしている感じがする・・・と言う方もいます。

確かに「人間観察」は人のことを観察するわけですから、観察される側にとっては、あまり気持ちはよくないかもしれません。しかしそれは観察のしかたと動機によると思います。


例えば、某テレビ番組モニタリングのように人が感激したり、びっくりしている場面を単純に楽しむのは娯楽としてはありかもしれませんが、その意味とは違って「自分の言動にプラスになるための人間観察」であれば意味を持つと思います。


つまり、その方の良いところを見つけて真似てみようーという目的で人間観察をすれば、そこから社会を知ることができるのではないでしょうか。


先日「どうしても、自分を他の人や一般の社会人(?)と比較してしまうんです」とおっしゃるある利用者の方とお話ししました。

自分を他の社会人と比較して、自分が社会人ぽくない点が多々あるとのことでした。

しかし「他の人はどのような点が社会人と感じましたか?」とお聞きすると、具体的なお答えはなく、自分に不足している点ばかりが出てくるのです。


つまり、比較した”ある”社会人は、自分より何が具体的にできているとか、何が社会人なのかが見えているわけではなく「自分がそうなっていない・・」と思い込んでいるだけなのかもしれないと感じました。


人間観察をして、他の人の態度や言葉から参考になる点を見つけるのはお勧めですが、自分との比較をしない、という前提になるのかと思います。

そして、人間観察をすることで、自分が良いとかそうでないとかのジャッジをするのではなく、自分を知ることから始めるべきなのだと思います。


ユースターでは社会生活技能訓練を定期的に実施しています。社会で必要な行動やコミュニケーションの取り方を練習するのですが、その中には”他の人はどうしているか観察してみる”という要素もあります。その活動で自分を知ることができると良いと思っています。


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他の人の態度や言葉から参考になることを見つけ、その前に自分を知れると良いです

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