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執筆者の写真吉岡 俊史

他人の目③

「他人の目」最終回です。

就労支援を行っています、就労移行支援事業所ユースターとして「他人の目」がどうしても気なる事が社会では頻繁になること、それと自分の気分や感情につながってしまうことを就労支援に絡めて考えたいと思います。


一般企業で働く希望を持つ方々にとっては、就職後の職場は、いわゆる「他人の目」に囲まれる状況になります。

例えば今まで、ユースターや学校で限られた人数の中での他人の目が気になり、自分が思う行動がとれなかった・・・という方が、今度はもっと大勢の不特定多数からの目にさらされる(と感じる)状況に置かれるわけです。


しかし、就職された方と身近に接し、皆さんの活躍に触れる中で、他人の目を気にしていた皆さんが、就職によって、他人の目を更に気にして、一層辛いものになったはずなのに、結果的に、決してそうでは無かった、ということも実感します。

それはなぜなのか?と考えますと、今までユースターから就職された方で「自分はどう見られているか?」を気にしていた方が、就職後は感度を下げて、良い意味で他人の目に鈍感になっているからです。


どういうことかといいますと、就労準備期間の中で、ある程度自分に自信をつけて就職をしますので、他人の評価が良いか悪いかの「当たり」がつけやすくなり、今まで他人の評価=恐怖、であったものが他人の評価を良くても悪くても、すなおに受け入れられる余裕ができたということかと思います。

特に実習などで企業と関わる中で、会社や社会の印象が「恐怖」から「親近感」「所属先」に変わったのかもしれません。


更に、人から嫌われないように、自分を隠して、社会に合わせて行動しなければ・・という意識から、自分がやりたいことは何か、という本音を表現できるようになることで、ストレス低減になり、それと共に、自分の視点が「他者はどうか」から「自分はどうしたいか」に変わったからだと思います。つまり「社会は合わせる場所ではなく、自分が生きる場所」という意識が実感として感じれるようになったからだと思います。


社会に出るには大変な壁を乗り越えることには違いはないのです。しかし、乗り越えるための準備やプロセスを支援スタッフと一緒に重ねる過程で、社会は自分が所属する場所という意識を生み出すのだと思います。

ユースターを利用される皆さんのがんばりに改めて敬意を表します。


広場で多数の不特定多数の方が行き来しています
社会に合わせるのと自分の本音を表する場所、両方が社会の生活では必要かと思います

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