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執筆者の写真吉岡 俊史

折り合う①

お互いに意見や主張が対立する時に「妥協」や「譲り合う」ことで解決に導こうとするわけです。それを「折り合う」と総称しているのかもしれません。考えてみれば、私たちは、毎日のように、非常に多くのことと「折り合い」をつけながら生活しているような気がします。100%思い通りに・・完全に自分の思うがままに行動できていることはめったにない、ともいえます。


今日は働く人と雇う会社の間の折り合いについて、就労移行支援事業所ユースターで経験したことをお話ししたいと思います。


ユースターを利用される方は、採用面接や書類などで就職先から審査され、絞られて、会社が決めている一定の枠に収まると最終的に採用となります。

しかし中には、採用決定の前に、会社も働く本人も実際に職場で働いてみてから決めたい、という場合もあります。


通常の雇用の場合、大きく括ったある程度の会社の枠内に収まる人を採用して、実際に働いてから適性によって配置や育成をしてゆく、ということがあると思います。採用した当初は、その人のスキルも仕事の仕方も未知であって本人のことは会社もわからないことが多いはずです。そこで、働いてもらいながら、社内のどの仕事に適性があるか、を会社は見ながら、また会社の動向に合わせてどの部署や担当に適性があるか、で配置をしてゆくと思います。その都度折り合いをしながら進めてゆく、ということが言えるかもしれません。


障がい者の方の雇用は、本人だけではなく、慣れないのは会社側も同じ場合があります。。

育成といってもどのようにしたら良いかわからず、またその人のスキルを見極める会社の経験値も少ないのが実際です。

それゆえに、まずは実態に働いていただいて、その上で雇用できるかを決めたい、という方向で採用する会社も出てくるのも当然だと思います。

それ自体は理解できますし、働く本人側にしても、お試しで仕事ができるので、メリットはあり、とても良い仕組みだと思います。

しかし、一部の会社では、お試しで働く期間、通常(障がい者以外の人)している折り合いをあまりしない会社もたまにあるのです。つまり、本人のできない部分を見て、採用を反故にする決定を早々としてしまう、という会社もあるのです。

会社にとって人材は最も重要な要素です。慎重になるのは当然です。しかし、採用を留保・猶予されている期間は、会社が我慢せずに、折り合いをせずに採用を無しとする会社があったとしたら、とても残念にも思うのです。ひょっとしたら双方にとって、素晴らしい出会いになったかもしれないからです。。。つまり一人の人の採用だけにとどまらず、その出会いが会社に新たな価値観、指針、社風を生み出したかもしれない・・・と思うと残念にも思います。


誰が良いとか悪いとかではなく、そのような場面に遭遇する時、支援者として、雇用者である会社、社会を形成する一躍を担う会社を説得しきれなかったことや、説得するだけの材料を集められていない自分を反省することも多いのです。


採用のための書類を書いている写真
採用試験は会社にとって大変重要なことだけに、慎重になるのは当然ですが・・

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