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執筆者の写真吉岡 俊史

「これ」と「それ」

仕事をする上で、指示詞はなるべく使わないようにアドバイスすることがあります。

「それ」(←また指示詞)にはいくつか理由があるからです。


一つは「これ」「それ」「あれ」などの乱発は、聞いている相手に対して若干横柄(おうへい)や雑な印象を与える可能性があるからです。もちろん急いでいるとき、すぐに報告をすべきときなどは別ですが、基本的に仕事上では丁寧な言葉を使ってゆくことが求められますので、正しい名称や、特定できる言い方をした方が丁寧な印象を与えられるからです。

人名は最たるものです、ユースターを利用される方の受けるビジネスマナーでも「あの人が・・」というより「○○さんが・・」の方が良い印象があります、とお伝えしています。


二つ目はミスが減るからです。言葉は誤解に満ちています。会話文だけでも誤解の種はたくさん潜んでいますが、それに加えて具体的な名称でも、一旦「これ」とか「あれ」を使い続けると、どこかから別のものにすり替わって理解されている、という危険もあるのです。

社員A「昨日地震があって、事務所のプリンターが落ちました・・」

上司B「それは大変だったねー。で大丈夫だった?」

A「はい、私はケガ無かったです・・」

B「いやプリンターだよ、無事だったの?」

A「あっ、プリンターですか・・わかりません」

B「で、パソコンは大丈夫だったの?」

A「はい、それはたぶん無事だと思います」

B「いやーあれ高いし、すぐ必要だからねー。念のためにそれを点検しておいて」

A「はい、パソコン点検します」

B「いやプリンターだよ、まずそれを点検して。全員がすぐに使うんだから・・」

ーー何がなんだかわからなくなります。場合によっては、更に大きなミスにつながってしまいます。


三つ目は、印象や記憶に残りにくくなるからです。どういうことかと言いますと、仕事での会話は正確に確実に報告連絡をすることが必要になるのですが、主語を会話に含めないと印象・記憶が薄くなり、頭の中に残りにくくなる可能性があるかもしれないからです。

再び上記の会話を例にすると、結局、上司であろうBさんが何を指示してきたか、上記の会話の途中にも色々な別の話題や仕事が入りこんできたとしたら、更に記憶が薄れがちになるからです。

「まずプリンターを点検してください」という一言で指示が明確に記憶に残りやすくなると思います。


皆さまも、自分の上司のあいまいな言葉によって、結局何を指示されたのかわからなかった・・という経験はありませんか?(自分も気を付けないと・・・💦)


ユースターの就労者の方に、もし、万が一あいまいな言葉の指示が多い仕事場に就職した際には、仕事中は「それ」「あれ」ではなく、できるだけ自分から具体的な名前を使うようにしていただくことをお勧めしています。上司は変えられないのですから・・・


伝わらない状況を人形が表現しています
便利な「これ」「あれ」ですが、誤解のリスクも・・・

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