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執筆者の写真吉岡 俊史

「教わる」と「支援を受ける」のあいだで②

「教わる、教える」と「支援をうける、支援をする」の違いやそれぞれの関係について、個人的な想いを書かせていただいています。


ブログ①では硬い理屈を並べましたので、今回は、平たく書ければ・・と思います。


支援する、とは本人が「〇〇したい」という『希望』(就労移行支援事業所ユースターの場合は「就職したい」「収入を得たい」「自立したい」が多いです)に向かって、支援する者が本人の周りの環境、要素を”コーディネート”します。


ここで言うコーディネートとは、本当に多彩です。

例えば、本人の関係者、ご家族などに本人の想いを代弁してお伝えしたり・・自分が何となく抱く希望や夢を具体的な事柄や言葉にしたり・・その実現までの道筋を一緒に組み立てたり・・関係者を本人のサポーターに招き入れたり・・本人の背中を押したり・・キュー(スタート)やカット(ストップ)を出したりリマインドしたりします。


学校を卒業したある方が、今までご家族から衣食住+お小遣いをもらっていたところ、ある日、もっと自由(?)になりたいという欲求が湧きました。

しかしどうしたら良いかわかりません。

●『教える』という視点で言えば、自立のために「働く」ことが必要であることを教えるのかもしれません。

●『支援をする』という視点で言えば、まずわかりやすいものとして、今の物理的な環境、例えば自分だけの部屋、通帳、パソコン、Wifi、スマホなどがあるかを確認します。

例えばスマホは自分のものだが、Wifiは親が契約したものを使っている。ということであれば、それを自分だけのものにするには別契約、別支払が必要であること。。。

また、スマホの通信費は誰が払っているのか?、自分でなければ、そこからの脱却が必要であること。。。

などを一緒に確認します。


よくあることに本人が親に「このスマホやゲーム機は自分のものだから、触ってはだめ」と言いますが、自分で契約して支払えば言う必要もなくなること、などを確認します。


それぞれの各段階で『自分で判断することを経験』できるようにします。〇〇しなければいけない、を伝えるより、〇〇するために何が障壁か、それをクリアするには何をしようかを相談することになります。


就職する目的は、まさに「就職するものだから」や「就職しないといけないでしょう」ではなく「抱く希望、姿に近づけるための行動の一つとして働くことが自分の自由につながる」のではないか、ということを自分なりに発見していただくことにあります。


自分の欲求に沿いながら、何とか実現できるように一緒に歩むことが支援ではないかと思います。

支援する人にとっては、本人の希望や欲求が果たされることがゴールです。

そのゴールのために、時には教えるような場面があるのかもしれませんが、それは、何かのあるべき姿にするカリキュラム的なものではなく、過程を共にしている一場面に過ぎないと捉えています。


今までの人生の中では、ずっと「教えてもらってきた」という習慣から、どうしても自分の意志はどこか横に置いてしまっていたことはあったかもしれませんが、これからは「自分は〇〇をしたい」という意志を実現するために一緒に考える人として、支援スタッフを見て欲しいと思います。そして、時間をかけて支援スタッフと本人の関係をアップデートしてゆかなければならないと思います。


疑問が手のひらに乗っているイメージ写真
自分は教えてもらう立場、自分の意志は考えは?

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