聞きなれない方も多いかもしれない「アサーティブネス」について書かせていただいています。今日は2回目、アサーティブネスの最終回です。
アサーティブネスは障がいのある方が一般企業に就職する際に、とても大事な考え方なのです。
就活で、働きたい条件に合う仕事に出会わない。見つからない、ということは良くあります。
『それは自分に責任があるのでもなく、雇用する企業のせいでもないのです。。。。』
お互いに「〇〇の仕事を〇〇の条件でしたい」「〇〇でないと雇えない」と思っている点が合致しないだけなのです。
そのズレた部分をかみ合わせるに、双方が我慢しなければいけない、妥協することが必要・・と考えがちです。
しかし、アサーティブネスは「協働」ですから、我慢や妥協ではなく、お互いそれぞれに、同じ目標に対して行動をすることで、今より前向きな『調整』をして、新しい解決策を見つけることなのです。
具体的に、前のブログに載せました例を使用してアサーティブネスをしてみたいと思います。
(状況)
●就労者A(就職を希望するAさん)=一週間に30時間(1日6時間)は働きたい
●雇用者B(障がい者雇用をする予定の企業)=1日4時間の仕事しかない
Aさんは、会社の都合を「自分に条件が合わない」とあきらめたり、「しかたないなあ」と妥協して4時間働くのではなく、Aさんや企業、そして就労支援者がアサーティブネスをしつつ、だれも妥協せず、誰も我慢せずに就職を達成することを目指すのです。
B会社の希望としては、今日とか明日の仕事をこなしてもらう人手だけが欲しいだけではなく、会社の業務を担う、ふさわしい人材が欲しい、と思っているとします。そうであれば、その人材を育てて会社の利益につなげるために、最初は短時間であっても慎重な雇用をする、それが将来の会社に貢献する人材に育つ。そのために、本人が力を発揮できるまでゆるやかに働いて、その間に本人にできる仕事が会社にも見えてきますので、その仕事を会社が本人に追加してゆく、その中で勤務時間延長をする。。
一方で本人には、入社最初の日から、全時間慣れない環境で勤務すると、心身ともに疲れて、場合によっては翌日にミスをする危険度が上がるかもしれないことを理解していただければと思います。そして、ある程度の仕事に対する緊張を持たせ、そしてそれを維持することでミスを減らせるかもしれない。そのために、少し物足りないくらいの心の余裕が必要であることを本人に会社や支援スタッフが説明し理解していただく。。。
最初は短時間、ただし計画的に延長することを会社と合意をしておく、といったことです。
この例で重要になるのは、いつも申し上げている”コーディネーター”(支援スタッフ)の存在なのかもしれません。
アサーティブネスは自分と他者を尊重しながらも、自分の希望を相手に伝えて、協調しながらベストな解決策につなげてゆくことです。
まさに就職・雇用に必要なことなのではないでしょうか。
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