一つのボタンやスイッチで、違う機能を持つことをトグルと言います。
例えば、家電などで、一つのボタンで、押す度にONとOFFが切り替わるものが身近にはたくさんあります。これをトグルというそうです。
先日、就労移行支援事業所ユースターにて「自分の〇〇を振り返る」というテーマの講座が行われました。
2024年の一年を振り返って、自分が今年一年でやったことをあらためて見つめる時間でした。
成果に限らず、自分がやったことを、自分の写真などを手掛かりに、月ごとに思い出す課題でした。ほぼ一年前のこと・・思い出すのに苦労をされている方もいました(昨日のことも忘れる私としては共感!)
その時に、今年就職をして、都合により早期離職した、というできごとを書いた方がいらっしゃいました。
苦い思い出なので「書かないのかなあ。。。」と見守っていましたら、しっかりと会社名と共に、その月の最大トピックとしてしっかりと書いていたのです!。それも1か月づつ書くルールの中、2か月間にわたって2回書いたのです。
離職という結末を思い出すことになるので、本人には酷なことなのかなあ・・と心配していましたが、悩んでいる様子はありませんでした。
本人はどのような心境なのかなあ・・・と、私なりに想像をしてみました。あくまで想像ですので、本心はわからないのですが・・
一つは、短期間であっても就職をして働いたことが「自分の誇り」。辛くて大変な日々だったかもしれないが、自分としての誇りは大事にしたい。というものです。
もう一つは、就職ー離職という経験が、自分の生活力、働く力、責任、判断する力、生き抜く力の存在を確認する機会となり、意識に変化をもたらした、ということです。
不撓不屈(ふとうふくつ)の言葉が使われることもありますが、自力で立ちあがることを繰り返すことで自分の持つ自信を見つけられることはあるのだと思います。
この方の場合に限らず、結果はどうであれ「就職活動」という経験が、自分を大きく育てるきっかけになった、ということはよくあります。
時間に管理されて行動しなければならない、自分の思っている「正誤」は決して絶対ではない・・などと心身の経験が力になるのです。
話しが大きく逸れました。
トグルの話しに戻しますと、就職活動は一つのスイッチですが、そのスイッチがプラス(の経験)にもなりますし、思い通りの結果にならないマイナス(の経験)になるかもしれません。しかし、人間についてはトグルは「就職できた」がプラス、「離職した」がマイナスのように決められるものではないのです。
プラスもマイナスも、両方ともに自分という「人」を作ってゆく上では、とても大きな成果ですし、誇りでもあるのだと感じました。
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