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執筆者の写真吉岡 俊史

上司の本音

先週の就労移行支援事業所ユースターの土曜日講座では、仕事をする際に交わされる会話の「本音」を探る体験をしました。


本音というと・・相手には見せていない本心で、得体の知れないもの、隠された不気味なもの・・というネガティブな印象もありますが、時と場面によって、とても良く考えられた善意のかたまりであることもあるのです。


講座では、よくある場面で、責任者、上司、指示者などからよく聞く言葉を集め、実際に演じた見た上で双方の心のうちを解き明かしています。


言葉から読み取れない大変多くの情報が会話の中にはあるために、会話から、真のメッセージを読み取ることは想像以上に難しい、ということも今日の講座で共有できました。


ちょっとした言葉でも・・

「ざっとやれば」

「適当に終わらせて」

「おおかた終わったら」

「だいたいで良いから」

「さっさとやってー」

「ちゃんと終わらせてー」

「適当に目途つけて」

「しっかりとやって」

「そこまでやらなくて良いよ」

といったあいまいな指示からはじまり・・


「大丈夫なんじゃないかな?わからないけれど」

「どーかね、そこは適当に・・」

のように、報告をしたのに上司がどこまで責任を持って下さるか不安になる反応もあります。


上司の質や会社の体質を語ってもきりがありません。

それよりも、会話には『表』と『裏』・『たてまえ』と『本音』があるのが当たり前で、だからこそ人間関係、特に仕事上の関係はうまくまわっているということも言えるのです。


また、それだけではなく、一切言葉として出てこないまでも、本質的に伝えたいことはもっと善意と優しさに満ちているのかもしれない、ということにも皆さんと気づいた次第です。

たとえば、先ほど例として出しました

●『適当に終わらせてー』は・・・・

「毎日とても大変な仕事をしてくれてありがたい、だから、少し気持ちをリラックスさせて仕事してもいい、ということをつたえたい」だったり

「一生懸命やってくれて助かるよ。早く終わらせて、自分の時間を過ごしてほしいなあ」という上司の想いがあったかもしれません。

●『おおかた終わったら声かけて』は・・

「全部終わってから、もし間違いがわかったら、ショックうけるよなあ~。よし、途中で修正できるように、自分にとってキリの良いタイミングで確認して、安心してもらおう」


参加された皆さんは、一様に、自分の受け取るメッセージとは違う意味や意図が含まれていることに小さな驚きを感じていらっしゃいました。また、そのことが分かったとしても、これから人の本音を瞬時に全理解することは誰もできないこともわかりました。

そこで、自分としてできることは

・言葉に(特に感情が)振り回されないこと

・(特にネガティブなことは)翌日以降にひきづらないこと

・あまり、使われる単語、語尾、抑揚に気持ちを揺らされずに、指示の本質本題をおおらかに受け取れるようにすることではないか、ということになりました。


皆さんはいかがお考えでしょうか?


「職場の会話の本音を知る」講座風景
上司の想いにも寄り添うことで本音が見えるかも・・



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