前のブログで「感謝」のメカニズムと就労支援について私案を書かせていただきました。
感謝と就労支援の関係で、もう一つ思うことがあります。それは・・誰か、あるいは会社のためにがんばりたい、という思いは、その「誰か」から良い影響を受けていないとなかなか生まれにくいのではないか、ということです。
専門職や研究をされた方にはおなじみかもしれませんが「進化心理学」という心理学があります。その領域の一つで他の人のためにとる行動が示されています-
「AさんがBさんに良いことをしてBさんが感謝したら、BさんはCさんに同じようなことをし、最終的にAさんにもどってくる」というものです。
何も心理学で述べなくても、親や諸先輩が私たちに「人にすることは自分にも戻ってくるよ・・」と諭したあの教えです。
自分に対して向けられた親切は他の人にも行いたい、ということから、人は、自分がお世話になっている人、あるいは自分が好きな場所、所属する場所から受けた恩恵に対して、自分も何かをしたい、そうすることが自分にもメリットになる、と感じられると良いと思います。
会社は従業員を大事にするべき理由は、それだと思います。
私達ユースターの就労支援スタッフは、まず働くことを目指すユースターの利用者の方に、本人に合った組織を一緒に探します。
そして、就職後、その組織が、就職をしたユースターの利用者に親切に仕事を説明してくれた、職場で歓迎してくれた、失敗をフォローしてくれた・・・などのさりげない親切や感謝の言葉が本人に向けられると良いと思います。それがあると、働く本人も会社に対して・・一緒に働く同僚や上司に対して・・ひいては、会社のお客様などの関係者に対しても『貢献したい』という気持ちが沸き上がってくる、と思うからです。
そこから、働く本人と受け入れる会社、お互いの良い雇用関係が生まれるのではないかと思うのです。そして、それが、本人の働き続ける動機にもつながります。
Comments