自分の手で作ったものを手作業と言ったりします。つまり”ハンドメイド”です。
残念ながらユースターの軽作業のプログラムの中に、工作や手工芸のようなハンドメイドと呼べるものはありません。ユースターの軽作業は、そのほとんどが、材料や道具が決まって用意されていて、何を作るかが決められていて、自分のオリジナルなアイデアを入れて「創る」ことは難しいものが多いです。しかし、その同じ作業で同じ完成品を作るからこそ見えてくる
『作業の個性』
があります。。。。。。
将来の就職を支援させていただく、就労移行支援事業所ユースターの支援スタッフとしては、利用される方の「作業の個性」に大きな関心をもって注目しています。
作業の個性は手作業とは少し違って、与えられたルールや法則の制約ともいえる範囲の中で生み出される創意や工夫です。
同じ完成品であっても、良く見ると、個々人の感性や着目点がわかり、その中に光っているのがわかります。また、作業手順の進め方や、手の動かし方など、動作の中にも見られます。支援スタッフはそれらの個性から、仕事と本人の相性や適性を感じとるのです。その情報を就職先を選ぶ際に、本人にお伝えして、本当の意味でも適性適職に近づくようにします。
自分の個性はなかなか自分ではわかりにくいようです。特に日常的に行っている作業に伴う動作や動きは、自分では何も意識しないけれども、そこに癖とも呼べるものが必ずあります。例えば「はみがき」・・・はみがき作業に伴う動作として、どこで手を返すか、どこで手を持ちかえるか、どの指に力を入れているか・・それを客観的に見ると、他の作業でも応用でき、速くできる原因あるいは苦手につながるヒントがあります。
一例ですが、写真はユースターを利用されている方が企業に実習に行った際のスナップです。
お二人が同じ作業をしていますが、同じではないのです。
出来高の数や正確性といった違いはもちろんありますが、それをもって「違う」ということではなく、どこに力を入れるか、指・肩・腕・手・身体・・のどこの力を使って製品を作っているかなどが全く異なるのです。
ある程度長い時間続けていると、実は最初の1時間はペースが速く、出来上がり数も多い人が、後半スタミナが切れて質量ともに大きなブレが出てくる、一方でその逆の方が追い抜かすといったことがあります。動作だけではなく、気持ち(モチベーション)の維持や達成感の感じ方にも個性がありますので、仕事には全ての感覚が必要になってくることが良くわかります。
このように書くと、ユースターでは、ある方の行動を「分析」しているように思われるかもしれませんが、実際には分析という大仰なことではないのです。その方に合ったお仕事につながるであろう、本人の個性に支援スタッフが近づくこと、を目指しているだけです。近づければ、支援スタッフの中に本人のお仕事のイメージがわいてくるからです。
オリジナリティーはどのような作業でも製品であっても、周囲の人の目の在り方で発見できるものかもしれません。
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