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執筆者の写真吉岡 俊史

利用者と支援者の関係

就労移行支援事業所ユースターを利用されている方で「支援者に迷惑をかけたくないので・・・」、と一人で就職活動を進めようとした方がいらっしゃいます。


その言葉を聞いた時、一人の支援スタッフとして、率直に大変申し訳ない気持ちになりました。通常の支援関係のもとでは、ユースターを利用される方が支援スタッフに迷惑をかけている、ということはないからです。むしろ、本人にそのような言葉を言わせてしまったことに、申し訳なく思いました。それと同時に恥ずかしい気持ちも持ちました。


不謹慎かもしれませんが、同時に少し感動もしたのです。それは、利用される方がそのように、自分でできることは何か・・と思考をめぐらし、自分なりに行動したことは、これから社会に歩みだそう、という大きな動機にもつながると感じたからです。


ところで「迷惑をかけたくない」と「干渉されたくない」というのは、表裏一体の心情なのかもしれないとも思います。

自分でできることまで支援スタッフはやるべきではありません。極端かもしれませんが、干渉されたくない、というのは手を出さないで欲しいという気持ちが芽生えていることなのかもしれないと感じたのです。

利用される方も支援スタッフもそれぞれ経験を積んで成長しています。しかし、支援スタッフは、つい自分だけができるようになっているように錯覚し、相手の人も同じように進化していることに気づかず、時に、おせっかいに手を出してしまうことがあるのではないかと思ったのです。(気を付けなければ、とつくづく思います・・・💦)

ひょっとして、親がいつまでたっても自分の子供の力を過小評価しがちな状況に似ているのでしょうか?


支援スタッフとユースターを利用される方の間柄は複雑ともいえます。それは、時や場面によって変わることもあるからです。時には一緒に歩む伴走者であったり、時には行く先の道の案内人のようでもあり、親や先生に近いような存在に受け取られたり(いうまでもなく、そのような立場では全くないのですが・・)。色々な顔を持ちがちであるために、わかりにくい関係になりがちです。


支援スタッフは意識して役割を変えているものではありませんが、本人にとってどのような立ち位置にいるのが良いのか?をずっと考えていると、その都度、立ち位置が変わってしまう、ということも多いのだと思います。


助けを借りない、自立する、迷惑をかけない、手を借りない、一人でやる・・・

これらの自立への意識が芽生えてくることはすばらしいのですが、上記全てに共通した意味もありながら、全く同じということではなく、個々の気持ちにしっかり応えてゆきたいと感じました。



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