「協力して、やり終えましょう」
就労移行支援事業所ユースターで、作業や活動の場面で、利用される皆さんが良く聞く言葉かと思います。
何気なく支援スタッフが言う場合もあれば、チームワークや人との交渉力、協調力などを目的としたプログラムで、強調して使う場合もあります。
「協力する」ということが、いかにあいまいな概念であるかは、発信する支援スタッフも知りながらも、それぞれの方の個人の判断力、周囲を認識して処理する力、行動する力を育てるためにあえて使う時があります。
判断力、認識力とそれを処理する力、行動にうつす力などを、実際に体験することで、自分の中にあるものを呼び起せれば・・・とも思っているからです。
そもそも「協力してやりましょう」はあいまいなだけでなく、全体的に具体性がありません。
①だれがだれに協力するべきなの?
②協力とは?指示を待ってればよいの?
③自分から誰かに何かを言ったらよいのか、それとも空気を読んで動くのか?
④そもそも協力するって何をするのか?
これらのことが、あいまいさをさらに印象付けるので、「協力してやりましょう」と言われることを苦手とする方も多くいらっしゃいます。
そう思う方からお話をお聞きすると「協力したいし、協力を惜しんでいるものではない、でも何をしたら良いかわからない・・」
とおっしゃる方が多いです。しかし、もっと突き詰めると、本当の気持ちは”何をしたら良いかわからない”だけではなく”どのタイミングで動いたらよいかわからない”、”空気を読むだけで心が折れてしまう”という想いもあるようなのです。
つまり上記の「③空気を読んで動くのか?」という点が一番大変なのがわかります。
それが故に他の人に協力する、という行為がしにくくなり、ややもすると、自分のことしか見えていない・・・とか利己的などとあたかも性格であったり、他の人に興味を持てない人・・といった偏って印象付けれられてしまうのです。そして、当事者ご本人も、自分は人と関わるのが苦手(特に初対面)なのだ、と思い込んでしまうのだと思います。
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