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執筆者の写真吉岡 俊史

協力を学ぶ①

「協力して、やり終えましょう」

就労移行支援事業所ユースターで、作業や活動の場面で、利用される皆さんが良く聞く言葉かと思います。


何気なく支援スタッフが言う場合もあれば、チームワークや人との交渉力、協調力などを目的としたプログラムで、強調して使う場合もあります。

「協力する」ということが、いかにあいまいな概念であるかは、発信する支援スタッフも知りながらも、それぞれの方の個人の判断力、周囲を認識して処理する力、行動する力を育てるためにあえて使う時があります。

判断力、認識力とそれを処理する力、行動にうつす力などを、実際に体験することで、自分の中にあるものを呼び起せれば・・・とも思っているからです。


そもそも「協力してやりましょう」はあいまいなだけでなく、全体的に具体性がありません。


①だれがだれに協力するべきなの?
②協力とは?指示を待ってればよいの?
③自分から誰かに何かを言ったらよいのか、それとも空気を読んで動くのか?
④そもそも協力するって何をするのか?

これらのことが、あいまいさをさらに印象付けるので、「協力してやりましょう」と言われることを苦手とする方も多くいらっしゃいます。

そう思う方からお話をお聞きすると「協力したいし、協力を惜しんでいるものではない、でも何をしたら良いかわからない・・」

とおっしゃる方が多いです。しかし、もっと突き詰めると、本当の気持ちは”何をしたら良いかわからない”だけではなく”どのタイミングで動いたらよいかわからない”、”空気を読むだけで心が折れてしまう”という想いもあるようなのです。


つまり上記の「③空気を読んで動くのか?」という点が一番大変なのがわかります。


それが故に他の人に協力する、という行為がしにくくなり、ややもすると、自分のことしか見えていない・・・とか利己的などとあたかも性格であったり、他の人に興味を持てない人・・といった偏って印象付けれられてしまうのです。そして、当事者ご本人も、自分は人と関わるのが苦手(特に初対面)なのだ、と思い込んでしまうのだと思います。


就労移行支援事業所ユースターの中で複数の人が協力する様子
ユースター内を皆さんで「協力」して清掃しています。協力をする⇒何をする・・がセットとなっているとわかりやすいです。「協力して」で終わってしまうと何も起こらない可能性も・・?



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