自分の考えを思いつくときはいつかはわかりません。突然来るときも多いのです。
就労移行支援事業所ユースターは障がいのある方が、一般の企業に就職して働くことを支援する機関です。その就労支援は、さまざまな福祉の支援の中でも、本人の意志で始まり、本人が主体的に決めて歩む、本人の想いが基本となる究極の支援の一つとも言えます。
自分が決めた場所で、私たち支援スタッフを従えて働くことで自分の生き方の希望を叶えることになります。
そこで、最も大事になるのは「自分の希望・想い・意志」です。
自分はどうしたいのか、を自分なりにわかっている、自覚することが最初なのですが・・・
言い換えれば、最初から最後まで、全てを他人に任せて、言われたとおりにやっていく、ということではなく、まずは自分のやりたいことが前提にあるというのが理想です。
就労支援の一番最初の段階では「どんな仕事がしたいか、何に興味があるか、働く自分をどうイメージしているのか」を支援スタッフに聞かせて頂く必要があるのです。
もちろん過去の経験値の大小によって、人によっては思いつかない、どのように考えたら良いかわからない、という方もいます。
「どのような仕事がしたいか、働く自分をどうイメージしているか」をお聞きすると、返事がすぐに返ってこない方は、働きたい、就職したい、働かなければと強く思う気持ちが全てでということもあり『何をして?・・・』までは言葉で答えにくい、という事なのかもしれません。
それでも大丈夫なのです。
すぐに思い浮かばない方々も、何も考えていないとか、考えられない、ということではないと思うのです。「どんな仕事がしたいか?」の質問には、職業や職種を答える必要はありません。「しずかなところでマイペースで。。というのでも良いですし、会社名が第一。。でも、優しい人に囲まれてゆるやかに。。でも、時代の先端っぽいこと。。。」など何でも表明することが良いのです。
そうは言っても・・・
と言う方。。誰でも、こうなりたい、これが好き、この仕事をしたい・・・などを、どこかで”ふと考えたこと”はあるはずです。
でもいきなり聞かれると『忘れてしまっている』ということなのではないでしょうか?
記憶は限りがあると思って、自分がやりたいこと、興味や関心をひかれたこと・・・できれば書き留めておいていただくと、先ほどの「自分が何をやりたいか」の返事に生かせるかもしれないのです。
いや、書き留めたそのままを支援スタッフに伝えていただけると、その先を、支援スタッフと相談しながら繋いで「自分が何をやりたいか」を一緒に導き出せるかもしれないのです。
そう考えると、何かを考えたとき、ひらめいたとき、書き留めておく、録音しておくなどで記録しておくことが、とても役立つことがわかります。
「思想というのはわれわれの望みどおりのときにやってくるものではなく、気まぐれのときに去来するものである」
とショウペンハウエルというドイツの哲学者が言っています。
気まぐれのときに突然思いついたこと、是非何らかの方法で記録に残しておくことで、聞かれて考える希望から、自分が持っていた本来の希望が伝えられるかもしれません。
就労支援を有効に活用するためのおすすめです。。
ショーペンハウエル(ショーペンハウアー)は非常に現実に主点を於いて『啓蒙』とか『啓発』などといった要素がなく、あるがままのヒトの虚しさを無情にもさえ言える多くの名言を遺していますね。これらは救いではなくいかにして逆境の中からの最適解を見出だすか、これが別項で語られていましたチャンドラーのタフさにも繋がっている思います。
人である道徳的事実(優しさ)が前提条件で、それでも綺麗事で物事は解決しない、なので毅さ(タフさ)を兼ね備えなければいけないという規範となっているいうのが個人的な考えです。