就労移行支援事業所ユースターの全てのトレーニングはプログラム化されています。
一つのプログラムには、その活動の<目的>や<職員の支援方法><目指す成果>や導き出される<効果>が明文化されているのはもちろんですが、その上に、就労(社会で実際に働く)する際の、何に役立つか、関連するか、といった点も示されています。
プログラムは、シンプルなものから、複雑なものまで、さまざまなものが揃えられています。例えばシンプルなものとしては、数を数えたり、色を分類したり、記憶したり、といったものですが、どんなにシンプルであっても、簡単であっても、目的が明示されていることで、何のためにそれに取り組むのか。。その活動の意義が出てきます。
ある人の持つ働く力に対して、一番良くない捉え方が「できるはず」「できてあたりまえ」「だれでもできること」と、目に見えない基準を主観的に決めて、それに当てはめて、その人の働く力を決めてしまうことです。その人が働く意義、やりがいを持てるような動機付けにはつながりません。
たとえば「一般企業で働く人は、誰でも計算や読み書きはできるはず・・できて当然」「通勤は一人でできて当然」・・・など「〇〇はできるはず、できて当然」といった先入観が多くあると、本人も「一般的にはどうか」ということばかりに着目して、自分と「一般」とを比較し気にすることになります。一方的な決めつけや基準のおしつけは、本人や支援スタッフ双方にとって良い結果につながらないです。
ユースターには、パソコンで書類を作成したり、計算や事務処理がほぼ問題なくできる方もいらっしゃいます。でも公共交通機関の利用となると、練習をしていても不安が残る方もいらっしゃるのです。
「〇〇ができていないと就職できない」ということを言うために、数を数えたり、色を分類するプログラムがあるわけではないのです。
では、プログラム化された支援は、何のためにあるのか、というと
「主体性を育てたり、伸ばすため」です。
一つ一つのプログラムは与えられたものですが、それを日々こなしながら、自分はこれが得意、とか苦手と考えたり、パソコンは好きでいつもやっているが、指定された課題をパソコンで続けることはできない、と気づいたり・・不器用と言われてきたので、苦手と思い込んでいたが、手先に集中して物を完成させることは案外楽しいと感じる・・。
など「自分自身の発見」から始まり「では、どうしたら働けるか」という主体性を生み出すことにつなげます。
就労と主体性はとても大事な結びつきがあります。なぜ働くのか、どうしたら働けるのか、など、それぞれのやり方で、自分で主体的に就労に向き合って考えることによって、自分と働くことを結び付けてゆければと思っています。
就労と主体性の結びつきについて、次回のブログでも、続きを書かせていただきます。
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