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執筆者の写真吉岡 俊史

発達障がい 家族④~年齢~

発達障がいのある方、特に高機能の発達障がいのある方のご家族の不安について、ご相談いただく例からシリーズで勝手に語らせていただいています。


今日は「年齢」についてです。

人間は、何歳の時に何をして・・・ということが定義されているものではありません。

学校の年数、20歳代には何をして、60歳代には定年があって・・・など ”全て”

社会システムや慣習が人工的に作っているしくみ、というだけです。


一部の発達障がいのある方の中には、○✕をはっきり決めたいという想いが強い方がいらっしゃいます。もちろん発達障がいの方以外にも、几帳面やまじめな性格を持つ方にもいらっしゃいます。


「○○歳に自分はこうなっている」・・・・と決めている方もいます。それらは「夢」や「目標」「願望」など、自分が生きる上での励みとなるネタであって欲しいです。決して、義務や標準(他の人は)と思いこんで、それと自分を比較してはほしくないです。


しかし、当事者の皆さんとお話しする中で、「普通の人(誰?)は30歳には仕事していますよね、30歳で仕事にもついていない人いませんよねー」とか「20歳代でやりたいことが決まらないとだめですよね」という、自分で決めたマスト(must)基準が年齢という要素に多く出がちです。他の人が、「そうではないです」と上書きしたくても、簡単にはできないのです。


確かに、かつては、22歳大学を卒業したら企業に就職しているもの・・という価値観はありましたが、それは一昔前のものです。

年齢とそれに合わせた生き方は、今の時代、個人個人完全に自由といえますし、自由であるべきだと思います。


「自分はどの位置にいるのだろうか・・?」ということが気になり、標準とどれだけ離れているのかを確認したい方がいらっしゃいます。そういう方の身近にいるご家族等には、年齢について本人とお話しする際に○○歳という具体的な年齢ではなく、『人生の転換期』はいつ来るか、の視点でお話をしていただきたいと思うのです。

○○歳にはどうなっていなければならないという本人が決めた定義があったとすると、それを、一つの目標として受けとめつつも、今の生活の主たるもの・・所属や立場は何か(例えば、学校での勉強、就活中、モラトリアムの中。。。など)に視点を置いて、次の転換期はいつか、そこでどうしたいかに視点を置いて共有できると良いと思います。その時に何歳なのかは無関係です。

例えば「30歳になったら結婚する、できないとだめだ」とおっしゃる方がいたら、「どんな家族を持ち、どのような家庭にしたいか、自分で気づき始めたときに結婚を考えても良いかもしれませんね・・・」とお話ししたいです。


また、当然ながら、その際には「できるできない」といった審判も不要ですし、本人が自己審判していたとしても、それは一つの独立した見解であって、他の何にも関連づけないようにすると良いと思います。


転換期は個人によって違いますし、若干家庭の環境も関係しますので「転換期(ライフイベント)」に着目することは、自分の人生の道程がわかりやすなるということにつながるのだと思います。


何よりも”他の人”という根拠に乏しい理由ではなく、「私は・」と自分を主語として自分について考えるようになりますし、そう願いたいです。

”一般的な年齢”といった人工的なものとの比較しながら論じると、いつのまにか「自分」をどこかに置いてきぼりにしてしまうのです。


ウェディングケーキのイメージ写真
年齢ではなく、自分の人生の次の転換期をどう迎えるか・・で考えられると良いですね

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