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執筆者の写真吉岡 俊史

資格と就職

就職に有利だろうから、と数々の資格を取得する方がいます。


働くご自身だけではなく、周囲の方も資格を勧めることはありますし、私たち就労移行支援事業所ユースターの支援スタッフも、資格取得は応援したいことの一つです。その理由は、資格取得を目指すことは、自分の強みが明確にできること、そのスキルを使って仕事に就くといった、働くことの軸にもなるからです。


また、資格取得にがんばることは、就職への動機づくりや自信の獲得にも大きな効果があるとも思います。


しかし(多くの人が感じることかもしれませんが)資格だけでうまく働けるか、あるいは職業が保証されるか、というとその可能性は低いのです。


資格のメリットは、自分が持っている技能をわかりやすく他の人に証明できるところにあります。

しかし、だからといって本人の働く力の全てを証明するには不十分なのです。

なぜなら、働く力は技能だけではなく、思考、行動、ふるまい、社会性など、その人が身につけている「目には見えないこと」の多くがあるからです。

また、資格は理論だけ・・とは言いませんが、理論をわかっていても、それらの力を、適切な場面やチャンスに合わせてちょうどよく発揮する(実践する)ことができなければ、チャンスも活用できなくなることがあると思うのです。


ここまで書かせていただいた「働く力のすべて」「チャンス」「活用する」「ふるまい」「社会性」・・・などの言葉に関わるのが就労支援を担う、支援スタッフなのです。


就労移行支援事業所ユースターでは、支援スタッフが「ふるまい」「社会性」など「資格」では証明できないことに関わります。資格取得の勉強だけでは学べないこと、具体的にわかりにくい「社会」についての知識や経験を、就職前のユースターでの活動によって、少しでも身につけられるようにしたいと思っています。

一旦身につけた社会性は、働く限り色褪せることはないですし、むしろ経験が積み重なることで、より確実に自分の力になってくると思います。


資格の話しにもどります。資格は、難しくて取得まで時間がかかるものから、簡単に取得できるものまで、様々なものがあります。

資格を活用して、自分が持っている技能を示せるのであれば、取得しておくことをお勧めします。

しかし、前に書かせていただいたとおり「ふるまい」「社会性」など、資格以上に大事な要素が就職には必要であることにも着目していただければと思います。


資格も大事ですが「自分」の内面が持つ力を見つめたいですね


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